いざ2011年按針祭へ

8月の伊東市の按針祭出演に喜ぶと思って話したら、
代表の神山さんから「叩けない」と、驚く言葉が返ってくる。

話を聞くと、その大舞台へ向けて練習する場所はどこにある、
練習するための太鼓はどこにある、衣装は、人も離散して集まらない。
そういう状況で行って叩いてみっともない演奏を
集まった人に聴かせる訳にはいかないと。

まさに正論で、僕自身も音楽をやっている身として
とても共感できるところですが、それは通常時の時の話です。

今、こういう時だからこそ、
出来ることを精一杯やる。完璧の状態から始めるなら
あと何年かかるか解らない。
兎に角、下手でも良い、生き残った命、
今の自分達の思い切りの音を鳴らそう。

何度も、僕や、そしてのぞみさんが説得しました。

でも、一番叩きたがっているのは、神山さん本人だというのは
誰もが解っていることです。


普段神山さんは仙台に避難をして、
そこで生活の為にアルバイトをしながら、
石巻の旧飯野川高校の校舎を間借りしている雄勝中学校の生徒に
和太鼓の指導をしています。

伊東市の大川さんの方も着々と話を進めてくれて、
伊東から取材団を引き連れて石巻まで来てくれました。

そこで、雄勝中学の生徒がやっている「タイヤ太鼓」の取材。
太鼓を津波で流された為、古タイヤにビニールテープを貼りつけて
作った太鼓での稽古。


実はそこで大川さんと雄勝の黒船太鼓のメンバーみんな
初対面でした。


直接会って話をして、他のメンバーもみんなやる気になり。
神山さんの分も、人数に入れてしまって(爆)そういう状況になり、

「それじゃあ、もうやるっきゃないな!」

と、立ち上がってくれた神山さん。
これで決まった。


(四倉 由公彦)